黒にんにくとは、白いにんにくを熟成発酵して作られる加工食品であり、発酵食品であります。
熟成発酵させて黒くなったにんにくは、作り手さんによって異なりますが、大体はにんにくの臭いが激減します。
黒にんにく特有のにんにくをスパイシーにしたような香りが少し残りますが、その香りは白いにんにくの時とは性質が異なり、いつまでも臭いがしてくるといったものではありません。
一般の他の食べ物と同じく、食べた瞬間から少しの間はその食べ物の匂いがしますが、しばらくすると無くなる匂いです。
例えるなら、カレーを食べた後は、しばらくの間『カレーを食べた人』ってわかりますよね(笑)
食べた本人はマヒしてますが、周りの方は、『あ、この方さっきカレー食べたんだな』ってわかってるパターンって多いと思います(笑)
それくらいのレベルです。
普通の白いにんにくであれば、いつまでも口臭がにんにく臭になり、翌日まで引きずることもあるくらいですよね。
黒にんにくに関しては、そういった強烈に匂いを発生させることも、いつまでも消えずに残ることもありません。口にしてから30分から1時間ほど見ていただければ、まったく気にならなくなっているかと思います。
なぜ臭いが無くなるのか
にんにくに含まれているアリシンという成分は硫黄化合物で、にんにくの匂いの素であります。生のにんにくを切ったり搾ったりすると生成されます。しかし、発酵プロセスによってアリシンが変化し、その性質が変わることがあります。
発酵によるアリシンの変化は以下の通りです。
アリシンからジアリルスルフィドへの変化
アリシンは発酵中に酵素の作用によってジアリルスルフィドと呼ばれる硫黄化合物に変化します。ジアリルスルフィドはにんにくの風味を和らげ、臭いや辛さを減少させる働きがあります。
アリシンの不安定性
アリシンは非常に不安定で熱や酸に敏感です。発酵中にアリシンが分解されることで、その特有の臭いや辛さが減少します。
硫黄化合物の多様性
発酵によって様々な硫黄化合物が生成される可能性があります。これらの成分はにんにくの風味や香りを形成し、同時にその特有の刺激感を和らげます。
発酵による変化により、にんにくの風味がマイルドになり、生のにんにくよりも食べやすくなります。これが、黒にんにくが一般的には、臭いや辛味が少ない状態で食べられる理由の一部です。
もし黒にんにくを食べて、辛みがあったり、匂いがきついものがあれば、それは熟成発酵が足りていないことの証明でもあります。きちんと熟成発酵させると、辛さが無くなるのはもちろん、匂いも激減します。
黒にんにくを選ぶ基準の一つにしてみてください。
ぜひ黒にんにくの匂いについて正しくご理解いただき、毎日の食生活に取り入れて、健康な生活のためにお役立ていただけましたら嬉しく思います。